睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
また、単純ないびき症の方の一部に“睡眠時無呼吸症候群”の方が少なからず(人口の2~4%)存在するといわれています。
「大いびきのあと呼吸が止まった」家族にこんな指摘をされたことありませんか?
大いびきをかく人は、口を開けて寝ているので舌の根元が喉の方へ下がり気道は狭くなるため呼吸がしづらくなります。舌の根元がさらに下がると気道を塞いで閉塞状態になります。
そして、呼吸が一時的に止まる“無呼吸”状態となります。
無呼吸とは10秒以上呼吸が止まっている状態を指し、長い方では60秒以上も呼吸が止まっていることもあります。
無呼吸状態を続けていると、心臓や脳に送られる酸素が不足するため、脳障害をはじめ循環器系や呼吸器系などの様々な機能障害を引き起こす原因となります。
睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状には次のようなことがあります。
※自覚症状の感じ方や程度には個人差がありますので、可能であれば寝ている間のことについて、ぜひご家族やパートナーにきいてみてください。
当クリニックで行える検査の案内
■ 簡易睡眠検
睡眠中の呼吸状態について判定する検査です。
いくつかのセンサーを取り付けますが、痛みを伴うものではありませんのでご安心ください。
機械を貸し出しますので、ご自宅で検査を受けていただくことができます。
簡易検査の後さらに詳しい検査が必要な場合、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を行うこともあります。
■ 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)
睡眠状態と呼吸状態を総合的に判定する専門的な検査です。
脳波・眼球運動・心電図・筋電図・呼吸曲線・いびき・動脈血酸素飽和度などの生体活動を一晩にわたって測定します。センサー類を取り付けますが、痛みを伴うものではありません。
睡眠中の検査なので一泊入院していただき検査を行いますが、夜間のみ(夕方~翌日朝方まで)の検査のため、仕事をされている方でも翌朝そのまま出勤する事も可能です。
入院検査の流れ
CPAP(シーパップ)療法:Continuous Positive Airway Pressure = 経鼻的持続陽圧呼吸療法
睡眠時に鼻に取り付けた専用のマスクから気道に空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐ治療法です。世界的にもその安全性が高く評価されており、広く一般的に普及している治療方です。
簡易検査でAHI(Apnea Hypopnea Index = 無呼吸低呼吸指数)が40以上で眠気などの自覚症状が明らかな場合、または終夜睡眠ポリフラフ検査でAHIが20以上の中等症以上の場合がCPAP治療の保険適応となります。
SAS 重症度分類 | |
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軽症 | 5 ≦ AHI < 15 |
中等症 | 15 ≦ AHI < 30 |
重症 | 30 ≦ AHI |
健康保険でCPAP治療を行うには、毎月一回の外来受診が必須です。
当クリニックではCPAP療法開始となりましたら、速やかに提携業者と連絡を行い導入準備の方を進めていきます。ご自宅まで業者が伺いCPAP機器の取扱方法やお手入れの仕方などを細かく説明しますので、ご安心して導入いただけます。